イデオモーター効果

イデオモーター効果(Ideomoter affection)という言葉がある。先生が仰っているのはたぶんこれのことで、感覚的な理解ができない人間も、ちょっと知恵をひねって論理的に理解すればよいと思う。私たちの持つ俗に言う「直感」は事実に常に整合性を求めるから、認知が行動を・行動が認知を支配する。

 

……と、呟いた。しかしこの調子で説明しているとタイムラインを荒らしまくることに気が付いて、ブログの存在を思い出す。

 

さて説明の前に導入なんだけど。

わたしのような頭の硬い人間は「笑う門には福来る」なんて言葉は些とも信じていなかったし、某有名近代小説に「人間は、こぶしを固く握りながら笑えるものでは無いのです」とか書いてあっても、それくらいできる人はできると思っていた(斯く言う私はできないのに)。

 

だが、先日判明したのは「笑う門には福来る」が概ね真実だということだ。より心理学説に基づいて言うのなら、福は来るのではなく生じるものなのだが。

頭の硬い捻くれ者が対象者なので、柔軟な思考力を持つ素直なみなさんは、雑学記事だとでも思ってほしい。

 

本題の「イデオモーター効果」とは、英語でIdeomoter Affectionと書く。

IdeoとはIdeaのことで、造語だ。言葉を分解するとIdea⇔moterという構図になる。ツイートに書いた「認知が行動を・行動が認知を支配する」というのは名前の説明だ。

認知とは何か? 例えばあなたは幸せだと感じたら笑うだろう。幸せだと感じても笑わない場合は、一報くださればカウンセラーを紹介しよう。

とまあ、ジョークや揚げ足取りは置いといて、一般的に、人は幸せだと感じたら笑う。この場合「幸せだと感じる」のが認知で「笑う」のが行動だ。

認知が行動に作用することについては異論はないだろう。

 

だが逆はどうだろう? 行動が認知に作用する、つまり、「笑う」と「幸せだと感じる」ということだ。

笑顔には幸福の他にも様々な効果があるので必ずしも完全一致するわけではないが、それでも概ね影響を与えることについては以下のまとめを参照してほしい。

そう、論拠は引っ張ってくればいいのが、研究者論文とブログとの大きな違いである。気軽だ。

https://kagaku-jiten.com/social-psychology/individual/priming-effect.html

 

 

だが、論拠を引用で済ませることには難点もある。なんだと思う?

引用元のサイトを読めば、わたしの説明を読む必要がないということだ。

 

そんなわけで飽きたのでお開きです。先生がよく仰っている「○○の顔をしていたら○○の声しか出ない」というのは心理学で説明できますね、というお話でした。

 

 

追記

ツイートに「直感」って書いたね。人間の思考には二種類あると言われていて、それはざっくり言うと「直感型」の思考と「論理的」な思考のことなのね。

下記参考文献に全部書いてあるのだけど、前者をシステム1と、後者をシステム2と呼ぶ。システム1は勝手に起動するもので、あんまり疲れないのが特徴。白い壁に広告がぽつんとあったらあなたはそれに目をひかれるが、その認知こそシステム1の働きだ。これは常時働いているのでオフにできない。

で、システム2は大まかに言って疲れる作業のことを言う。基本的にシステム2は、できることなら働かないでなんでも済ませたがる。

説明したいのは山々だが、逐一書いていると本ができるので、暇なときにでも調べてほしい。

 

【参考文献】

Thinking, Fast & Slow.

Daniel Kahneman著